現在は空き家が全国的に増加しています。2023年の全国の空き家は約900万戸であり、静かな社会問題にもなっています。
空き家を放置すると「特定空家」に指定され、最悪の場合は罰則が科されたり固定資産税が高くなったりする恐れもあります。
また、近年は親の家を相続したが住む予定もなく対処に困っている方も珍しくありません。
不動産は大きな資産ですが、空き家にして放置しておくと特定空き家に指定され、負担になる恐れもあります。
本記事では特定空き家の概要と、空き家の対処法を紹介します。
親から相続した家の対処に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
空き家を放置する4つのリスク

ここでは、空き家を放置する3つのリスクとして、以下の4点をご紹介します。
- 治安・防犯リスク
- 衛生・景観リスク
- 資産価値の下落
- 税金のリスク
治安・防犯リスク
空き家は、不法侵入や放火の被害にあいやすい傾向があります。
不法侵入はホームレスが勝手に住居にしたり、犯罪者が犯行の拠点に利用したりする恐れもあるでしょう。
また、建物に放火されても空き家は気づかれにくいため、被害が大きくなる恐れもあります。
放火の場合は管理責任が問われる恐れもあるため、より注意が必要です。
衛生・景観リスク
一戸建てが空き家になると、建物が朽ちたり庭が荒れ放題になったりして景観に悪影響を与えます。
特に、住宅街の場合は地域全体の景観が悪くなる恐れもあり、近隣から苦情が寄せられるケースもあるでしょう。
また、荒れた家は家具や家電が不法投棄されたり害虫や害獣が発生したりすることもあります。
害虫や害獣が発生すると衛生状態も悪化し、持ち主の管理責任が問われる可能性もあるでしょう。
資産価値の下落
建物の価値は経年と共に劣化していきます。
また、管理されていない空き家は劣化も急速に進むため、築年数が浅い物件でも価値が下がるケースもあり、注意が必要です。
税金のリスク
不動産は所有している限り固定資産税と都市計画税がかかります。
なお、固定資産税は土地の使い道によってもかわり、住宅が建っているより更地のほうが高くなる傾向があります。
そのため、空き家問題を解決しようとして不用意に家だけ取り壊してしまうと、固定資産税だけが高くなる恐れもあるので、注意が必要です。
空き家問題をスムーズに解決したい場合は、家だけでなく土地の処分方法も考えることが大切です。
特定空き家に指定されるデメリット

2015年5月に施行された「空家等対策特別措置法」により、管理が悪い空き家は「特定空き家」に指定される可能性があります。
ここでは、特定空き家に指定される家の特徴や、指定された場合のペナルティを紹介します。
「特定空き家」指定とは?
特定空き家とは、空き家対策特別措置法に基づき、市町村が指定します。
特定空き家に指定される条件は以下のようなものが挙げられます。
- 倒壊の危険がある
- 衛生上有害と認められる
- 景観を損なう恐れがある
- 周辺の生活環境に悪影響を与える可能性がある
つまり、空き家を管理せず放置しておいた場合は指定される可能性が十分にあるといえるでしょう。
ただし、分譲マンションの場合は建物全体が老朽化していない限り、特定空き家に指定されません。
しかし、集合住宅は老朽化により周囲の家に迷惑をかけた場合、管理組合から責任を追及される可能性もあります
特定空き家に指定された場合のペナルティ
特定空き家に指定された場合、以下の手順でペナルティが課せられる恐れがあります。
- 行政からの持ち主へ指導・勧告・命令が行われる
- 勧告を受けると「住宅用地特例」が外れ、固定資産税が最大6倍になる
- 命令違反すると50万円以下の過料が課せられる恐れがある
行政が強制的に解体や修繕を行い、その費用が所有者に請求される 行政が強制的に空き家の取り壊しを執行すると、まとまった費用を請求される恐れもあります。
空き家の資産価値を保ち続けるコツ

空き家を所有している場合、適切に管理することが大切です。
ここでは、住む予定の家のない空き家の資産価値を保ち続けるポイントを紹介します。
定期的な管理を行う
人が住む予定がない家は、人が住んでいる家より早く劣化します。
そのため、以下のような管理が必要です。
- 通風
- 清掃
- 庭の手入れ
防犯 1~2週間に1度を目安に、窓を開けて風を通して家を清掃します。
庭がある場合は、草刈りや剪定が必要です。
遠方に住んでいる場合は、第三者に依頼して管理してもらう方法もあります。
市町村によっては、シルバーセンターが空き家の手入れを請け負ってくれる可能性があるため、問い合わせてみるのもおすすめです。
空き家バンクや賃貸で家を活用する
賃貸物件に需要がある地域ならば、賃貸に出す方法もあります。
賃貸に出せれば、長期安定した収入が望めます。
特に、都市部で駅が近い場所であったり、地方でも県庁所在地の場合は、一定の需要が見込めるでしょう。
一軒家はファミリーに人気があります。
また、大学や企業がある場合は、シェアハウスにする方法もあります。
このほか、空き家バンクを利用すれば自治体に賃借人探しを依頼できる場合もあるので、検討してみましょう。
自治体によっては、UターンやIターンを希望する方向けに住居を求めているところもあります。
家を賃貸に出せれば、管理する手間もかからなくなります。
早めに売却する
家に住んだり貸し出したりする予定がない場合は、早めの売却がおすすめです。
築年数が浅い家ならば中古住宅として売却ができます。
また、リノベーションやリフォーム可物件として売却すると買い手がつく場合もあるでしょう。 築年数が経ち、家の価値がなかったりそのままでは住むのが難しかったりする場合は、
古家付き土地や、更地として売却する方法もあります。 なお、土地や家は名義人しか売却できません。
相続登記や名義を整理して、売却準備を整えたうえで売却活動を行いましょう。
イエウールを活用して空き家の価値を確認しよう
中古住宅・リノベーション可物件・古家付き土地・更地など空き家を売却する方法はいろいろあります。
どの方法が最も適しているか判断するには、家の価値を知ることが大切です。
家の価値を知るには、不動産会社に査定を依頼しましょう。
できれば、複数の不動産会社に依頼するのがおすすめです。
オンラインを利用して家の査定を依頼できる「イエウール」ならば、以下のようなメリットがあります。
- 一括査定で比較が簡単
- 信頼できる不動産会社が揃っている 高
- 値売却の可能性が高まる
- 4登記簿等の書類は用意不要
- 無料で利用可能
イエウールを利用すれば自分で不動産会社を探して査定を依頼するより、短時間で多くの不動産に査定を依頼できるため、売買の仲介を依頼したい不動産会社探しにも役立ちます。 また、全国の不動産会社に査定を依頼できるので、名義人が住んでいるところから離れた場所にある不動産の査定を依頼したい場合にも便利です。
まとめ
本記事では、空き家を放置するデメリットと空き家を処分する方法を紹介しました。
一戸建ての場合、建っている場所によっては固定資産税が安価のため「とりあえず放っておこう」という選択肢をしたくなるケースもあるでしょう。
しかし、特定空き家に指定されれば最大で固定資産税が6倍にも跳ね上がります。
住む予定も貸す予定もない空き家を受け継いだら、イエウールで査定してもらい、早めの売却を検討してみましょう。


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